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DENVER PROJECT
ENGI  2006

丸い鏡に数字のLEDが付いている。これを "Mirror LED" と呼ぶ。
数字のLEDは白色のものは1-9へ、また青色のLEDは9-1とカウントし続けている。そしてゼロを表示せず、それを繰り返す。カウントするスピードは速いものや遅いものがあり、すべて違っている。今回、このLEDのスピード調整を、様々なバックグラウンドを持つ、デンバー市民80人に参加してもらい、一人一人の好きなスピード(時間)に設定してもらった。そのことで、デンバーに住む人々の個人の人生が焼き付けられると考えたからである。数字のLEDは、「個人の生命の輝き」や「個別の歴史」を隠喩している。

しかも、LEDには鏡が付いている。この鏡は、「縁起」(ENGI)を隠喩する。「縁起」とは、仏教的な概念で、「関係性」の意である。これは、『人間は独立して存在しているのではなく、自然や宇宙、そして他人と関係を結ぶことで初めて存在できる』ということを言い表している。
"Mirror LED" は、数字のLEDで、デンバー市民一人一人の「個別性」を表現し、同時に鏡で、様々なものとの「縁」を映し出すという仕組みなのだ。

「縁」により映し出されるのは、建築の構造だったり、他の "Mirror LED" だったり、時にはビジターさえも映し出すことだろう。このことで、この空間は、"Mirror LED" による、市民やビジター、そして建築とのハーモニーが生み出されるコミュニュティー空間となるであろう。

デンバーはフロンティア・スピリットに溢れ、ゴールドラッシュの「Discover」のため人々が集い、町を形成してきた。この作品は、またビジターが「Discover」する楽しみを与えるだろう。なぜなら、建築の壁はすべて角度が違っており、ビジターの見る角度によって反射が違うため、全く違った様相を呈するからである。ビジターは、建築と作品の「縁」を発見したり、"Mirror LED" 同士の「縁」を発見する楽しみがある。

この美術館の建築家、リベスキンドが提唱する「ネクサス」は、コミュニュティーの生成である。私は「Art in You」という考え方を提唱している。これはアートが独立して存在するのではなく、観客一人一人によって生成されるものだという考え方である。この作品では市民たちがアートに参加し、そこに訪れるビジター達との「縁」が生成されること、そして、それが新たなコミュニュティーの生成に繋がっていくことを望んでいる。

10 / 2006

 
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